三菱重工業が経営する長崎造船所では、多くの本工や下請労働者にじん肺やアスベスト被害が発生しています。本工の原告が1998年12月25日に長崎地方裁判所に提訴した第1陣訴訟は、一審判決前の2002年6月7日に和解解決しました。また、それを契機に、本工についてはじん肺補償制度が設けられ、裁判によらない解決が図られています。
しかし、三菱重工業は、下請労働者に対しては補償制度の対象外とし、かつ裁判を提起した下請労働者については和解解決に応じないばかりか、徹底して加害責任、じん肺罹患を争う姿勢を今日まで維持しています。その結果、2003年12月10日に本工と下請労働者が原告となり提訴された第2陣訴訟は、2009年2月9日の福岡高裁判決の確定で解決に至りました。
また、下請労働者のみ18人(被災者)が原告となり2016年4月7日に提訴した第3陣訴訟、下請労働者のみ3人(被災者)が原告となり2019年9月2日に提訴した第4陣訴訟は、いずれも一審長崎地裁判決で三菱重工業の責任が基本的に認められましたが、控訴され高裁での審理が行われてきました。第3陣訴訟、第4陣訴訟とも2024年12月9日に福岡高等裁判所で結審し、第3陣訴訟は2025年7月14日に、第4陣訴訟は同年6月10日に判決が出される予定です。控訴審判決では、CT論争を中心とした三菱重工によるじん肺罹患を否定する不当な主張が認められるのか、長崎地裁が平成年代には三菱重工の粉じん対策が十分であったという不当な結論が是正されるのか、長崎地裁が認めた消滅時効が成立するとした不当な結論が是正されるのか等が注目されています。
既に3陣、4陣の被災者21名のうち7名が亡くなっており、全面解決の実現が急務となっています。第3陣訴訟、第4陣訴訟は、三菱重工の加害責任を改めて明らかにすることを通じて、頑なに下請労働者のじん肺・アスベスト被害の救済を拒否する姿勢を根本的に改めさせ、下請労働者を含むことを内容とするじん肺補償制度の改正、じん肺・アスベスト被害の根絶をも目指して闘っています。